2.むし歯の治療・歯のかぶせ物の治療

むし歯は、歯の一部が溶かされていて軟化したり、なくなっている状態です。

むし歯を除去したのち、なくなった部分を何らかの方法で補う必要があります。

なるべくむし歯が再発しないような材料を使用したいですし、なるべく元の色や形に近づけたいものです。

近年では、見た目を改善する「審美性」を重視した材料も新しくなっていっています。

見た目と強度、場所や状況に応じてできるだけ適材適所に材料を使用したいところです。

 

ここでは、歯の治療で使用する材料について紹介いたします。

(参考費用はすべて1歯当たりの税込金額です)

 

1)コンポジットレジン修復 保険

むし歯の部分を削り、セラミックスとの複合プラスチック(コンポジットレジン)で削った部分をその場で形態修復します。

むし歯が小さい場合に向いており、歯の色に似せた材料を使用するため、見た目にも自然です。

 

2)インレー修復

奥歯の歯の溝や、歯と歯の隣り合った面のむし歯に対して行う治療法です。詰め物を丈夫にするため、歯をやや多く削ります。

①メタルインレー修復 保険 自費

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形作った溝に、入る詰め物を金属で製作し、それを詰める治療法です。

金属は、見た目が歯の色からはかけ離れていますが、伸びたり、変形にも耐えるといった、かみ合わせの面には有利な物性を持っているため、有効な治療法です。

金属の種類によって、保険治療と自費治療があります。

(参考費用:¥55,000~82,500-(金合金インレー))

 

②ハイブリッドセラミックスインレー修復 自費

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上記の金属の代わりに、複合プラスチックをさらに強力にしたハイブリッドセラミックスによる治療法です。

歯に似せた色で製作するため、審美性に優れます。

ですが、材料の特性として割れやすい欠点があります。

(参考費用:¥33,000~44,000-)

 

3)クラウン ・ ブリッジ

歯をすっぽり、冠(クラウン)状のものをかぶせる治療法です。

むし歯の部分が大きかったり、歯の根のなかの治療を行った場合など、元の歯の部分が大きくなくなった場合に用いられます。

失った歯を橋渡しをして補う、ブリッジの治療も同様の材料を使用します。

 

①フルメタルクラウン 保険 自費

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金属でできたかぶせものをかぶせる治療法です。

金属は強く噛む力にも耐えることができ、力に順応する能力に優れた材料であるため、奥歯の治療にとても有効です。

反面、見た目は元の歯と大きく違うため、前歯など良く見えるところの治療には向きません。

使う金属の種類によって保険治療と自費治療があります。

使用する金属によって、期待する金属の性質も少しずつ違います。

(参考費用:¥93,500~110,000-(金合金Cr))

 

②硬質レジン前装冠 保険

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表側           裏側

金属のかぶせものの表面にプラスチックの材料をのせ、表側からの見た目を改善したものです。

前歯は保険治療で対応しています

表側は白い材料で覆うことで見た目を確保し、裏側は金属のフレームでかみ合わせる力に順応します。

金属からプラスチックがややはがれやすく、年数とともに変色が少しずつ進行してしまうことが多いです。

 

③陶材焼付鋳造冠(メタルボンド) 自費

金属のかぶせものの表面にセラミックスの焼き物を焼き付け、見た目を改善したものです。

高価な上に割れやすい欠点がありますが、金属とセラミックスのお互いの良い所を組み合わせた、見た目と機能の面からもバランスのとれたかぶせものです。

(参考費用:¥132,000-)

 

④オールセラミックスクラウン 自費

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表側           裏側

金属を一切使わず、かぶせものすべてをセラミックスで製作するものです。

金属色がないため見た目に優れますが、割れやすいというセラミックスの欠点は残ります。

近年、ジルコニアという高強度セラミックスが使われ始めたことで、前は難しかったブリッジなどにも適応範囲が広くなりました。

ジルコニアは非常に硬い材料ですので、使用する場所や、その後の管理には十分注意が必要です。

セラミックスのお互いの良い所を組み合わせた、見た目と機能の面からもバランスのとれたかぶせものです。

(参考費用:¥132,000-)

⑤CAD/CAMクラウン 保険

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 保険に加わった新しい方法です。

CAD/CAMを使用したクラウンの製作法は以前からあり、オールセラミックスクラウン・ジルコニアクラウンなどでも使用している技術です。

複合プラスチック(コンポジットレジン)のブロックからクラウンを削りだして作りますので、金属を使用しません。

ただし、材質はプラスチックですから、使用できるケースは基本的に小臼歯~一部の条件を満たした大臼歯に限られます。

 

4)コア(土台)

むし歯が進んでいた場合に歯の根の治療を行った際、歯の真ん中に大きな空洞が残り、そのままではかぶせものを行うことが困難のことが良くあります。

この場合、最初に歯の土台の形を材料で補い、整えることを行います。

かぶせものを保険診療で作る場合は保険扱い、自費診療で作る場合には自費診療扱いになります。

 

①メタルコア修復 保険 自費

土台を金属で製作する方法です。お口の外で製作しますので、ある程度形を仕上げることができ、適応範囲も広いです。

 

②グラスファイバーポストレジンコア 保険 自費

土台の芯棒にグラスファイバーを用いて曲げる力に抵抗させ、複合プラスチック(コンポジットレジン)で土台を形作る方法です。

お口の中で直接作る方法と、お口の外で作る方法があります。比較的元の歯の部分が多く残っている場合が適応になります。

 

5)ラミネートベニア 自費

主に前歯の表面などが凸凹で在ったり、色がそろわずにきれいでない場合などに、表面を薄く一層削り、白い板状のものを貼り付ける方法です。

審美性を改善するための治療法です。

(参考費用:¥95,700-)

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