implant
インプラント治療
歯を失ってしまった方のための
インプラント治療
インプラント治療は、入れ歯やブリッジと同様に歯を失ったところを噛めるようにする補綴治療のひとつになります。インプラントは人工歯根のことで、手術によって顎骨に埋入し結合させます。そこに上部構造（人工歯）を固定するという治療になります。
入れ歯やブリッジは保険診療があるのに対し、インプラント治療は自費になるため価格が高くなります。しかし、天然歯のような構造をしたインプラント治療により、強く噛めるなどのさまざまなメリットを得られます。
インプラントによる
治療のメリット- 固定性の人工歯でしっかり噛める
- 周囲歯の負担を増やさない
- 入れ歯のような余計な付属物がなく、自然な形になる
- 噛んだときの違和感が少ない
- メインテナンスを継続することで長く使える
インプラントによる
治療のデメリット- 自費診療のため価格が高い
- 治療期間が長い
- 手術によってインプラントを埋入するため体に負担がかかる
- 「全身疾患がある」「妊娠中である」といった場合、治療を適用できない場合がある
インプラントの形状と材質
インプラントの形態で使用されているものは、歯根の形にねじ切りのようなものがついたタイプが多く見られます。また、インプラントの材質は、生体親和性が高いチタンという金属が一般的です。チタンを骨に埋入しても体が拒否反応を示しにくく、骨にもしっかりチタンに密接して治癒していきます。
このほかにも、セラミックスの材質のものや、チタンの表面を骨との親和性が高い素材で覆ったものがあります。長く安定してインプラントを使えるよう、適切な形状や材質を選択します。
インプラントと天然歯の違い
人工歯根を使い骨に支えてもらっているインプラントは、構造が天然歯とほとんど変わりません。しかし、天然歯には歯と骨との間に歯根膜という組織が存在しています。歯根膜をもたないインプラントは直接骨に接しており、噛み合わせたときにクッションの作用がなくほとんど沈みません。また、歯根膜には噛むときに感じる神経が存在しており、インプラントの場合は周囲の天然歯で噛んだ感覚を得られます。このように、天然歯とは感じ方が異なる点があります。
インプラント・入れ歯・ブリッジとの違い
治療法によって異なる特徴があり、メリットやデメリットも異なります。比較したうえで検討すると良いでしょう。
インプラント
入れ歯
ブリッジ
周囲の歯への影響 
なし
留め金をつける歯に負担がかかる
両隣の歯を削る必要がある
手術 必要
不要
不要
噛む力 天然歯と同等
天然歯の10～40％
天然歯の約60%
毎日のお手入れ 普段の歯磨き
普段の歯磨き＋入れ歯の洗浄
普段の歯磨き＋歯間ブラシで清掃
費用 自費診療（保険適用外）で高額
保険適用素材なら低価格
保険適用素材なら低価格
当院のインプラント治療について
当院では「straumann社」のインプラントを使用しています。将来的にトラブルや作り直し等が生じた場合に、取り外し等に柔軟に対応できるように、原則的に人工歯の部分はネジ止めタイプの「スクリュー固定」で固定しています。これらの部品は精密さが求められるため、全て純正品を使用しています。
インプラントのメインテナンス
定期チェックの必要性
インプラントと骨がしっかり結合されていれば、治療後に動くことはほとんどありません。一方で、天然歯は少しずつ動くことがあるほか、むし歯治療などによって噛み合わせが変わることもあります。それにより、初めは正しかった噛み合わせが、インプラントを入れたところだけ強く噛んでいた、ということも起こり得ます。
このような状況が続くとインプラントにダメージが蓄積され、支えている骨が吸収されていく可能性があります。こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、インプラント治療を受けたあとは定期的にチェックを受けることが大切です。
メインテナンスは
どこで受けてもいい？
インプラントの定期的なメインテナンスは、基本的には治療を受けた歯科医院で受けることが望ましいです。治療をした歯科医院であれば、患者さんのお口の状態や使用した材料の種類などを把握しており、スムーズにメインテナンスができます。
しかし、引っ越しなどにより治療を受けた歯科医院でメインテナンスを受けられないことも考えられます。そうした場合でも信頼できる医療機関を探し、継続してメインテナンスを受けるようにしてください。
定期チェックは何をするの？
噛み合わせ、上部構造の安定感、インプラント周囲の清掃状態、骨の確認、ご自宅でのケアが充分にできているか、といったポイントを主にチェックします。重要なのは、周囲の歯やお口の機能、動きと協調できているかという点です。天然歯の検診とは少し異なる内容になりますが、定期的なチェックが必要であることに変わりありません。異常が見つかった場合、すぐに対処します。インプラントを長く使えるよう、ご自身でのケアにも気をつけながら定期的にチェックを受けましょう！
インプラント治療の
一般的な治療期間・回数
治療期間：4～7ヵ月、治療回数：6～10回
※治療期間・回数は症状や治療の進行状況などにより変化します。あくまで参考程度にお考えいただき、詳細は歯科医師にご確認ください。
リスク・副作用
インプラント治療にともなう
一般的なリスク・副作用
- 機能性や審美性を重視するため自費（保険適用外）での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
- 高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
- 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
- 手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞（鼻腔の両側の空洞）の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
- 手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
- 手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
- インプラントの耐用年数は、口腔内の環境（骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メインテナンスの受診頻度、喫煙の有無など）により異なります。
- 毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎（歯肉の腫れや骨吸収など）を引き起こすことがあります。