口腔ケアのお話

・歯の清掃をする上での注意点!

歯の出っ張っているところは磨きやすいですが、肝心な磨き残しやすい場所(3大不潔域)がしっかり磨けるかどうかがポイントです。この場所を意識して磨いて下さい。
<3大不潔域>
 1.歯と歯の隣接面
 2.歯と歯茎の境い目
 3.歯の噛み合わせの溝
むし歯や歯周病にならないために、お口のお掃除をする上で、歯磨きは基本中の基本です。しっかりと身につけて、お口の悩みとおさらばしましょう。

・歯ブラシ

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歯ブラシにもさまざまなデザインのものがあります。お勧めしている歯ブラシはごく普通の形のもの。だいたい上の前歯2本分くらいの幅の植毛サイズが、その人にとって磨きやすいサイズと言われています。

毛の硬さは一般的には普通が良いとされています(最近、違った傾向も見られます)。

そして、歯磨きで大事なのは、「つま先」「かかと」「毛の脇腹」です。新品時に比べて毛がケバケバしてきたら、大事な部分があまり使えなくなっている可能性大です。早めに歯ブラシを買い替え、交換しましょう。

・歯ブラシの持ち方

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歯ブラシの持ち方は、「鉛筆持ち」が小回りが利きやすく、いろいろな方向に向けられるため良いと言われています。色々な磨き方があって、きちんと磨けていれば磨き方を変える必要はありませんが、もしもうまく磨けないときは一度試してみてはいかがでしょうか?何事も慣れるまでは時間がかかりますが、是非ともチャレンジ下さい!

・歯ブラシの当て方

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基本は歯の面に対して垂直に毛先を当てる、スクラビング法という磨き方が一般的です。歯の先の方だけでなく、歯と歯ぐきの境い目のところまでしっかり磨きましょう。歯の内側(舌側)の面など、当てにくい場所は45°程度で歯ブラシを当てると磨きやすいでしょう。その時も、歯と歯ぐきの境い目をしっかり磨くことを意識しましょう。

・歯ブラシの動かし方

歯を磨くとき、面倒くさいのでつい力が入りがちになりませんか?歯を磨くときの力は200g程度が良いと言われ、これは意外と小さな力です。また、歯ブラシを左右に動かすストロークは小さめが良いです。細かく動かしましょう。これは、その方が歯ブラシの届きにくい、凹んでいるところにブラシが入ってゆくからです。一撃の力よりも、数で稼ぐ磨き方をしてみてください。時間はかかりますが、きっと汚れが落ちたことを実感できるはずです。

・歯を磨く順序

歯を気になるところから好きなように磨くと、必ず磨き忘れるところが出てきます。お薦めは、例えば上の歯の奥歯の端の外側から磨き始め、そのまま連続的に前歯を通り、又奥歯へ向かい・・・端までいったら今度はそのまま内側を磨き始め、又前歯を通り、奥歯へ・・・端までいったら、今度はかみ合わせの面を再び端から磨き始める・・・といった「一筆書き」の磨き方です。上が終わったら下の歯も行います。こうすると磨き忘れがないので、お薦めです。

・特別な磨き方

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歯の裏側など、横には磨きづらいところ、でこぼこしているところなどは、歯ブラシ自体を縦に当て、縦に磨いてみましょう。

・電動歯ブラシについて

電動歯ブラシや音波歯ブラシも近年は大きく進歩し、人の力で磨くよりも効率よく歯の汚れを落とすことが宣伝されています。効果的に使える方、ご自身での歯ブラシの使い方に自信がない方には効果的な道具といえるでしょう。

・歯磨き粉(歯磨剤)

歯磨き粉は、歯磨きの際にスーッとした清涼感を与えてくれ、爽快感を得ることができますが、じつは磨けていないところも磨いた気になってしまう副作用もあります。歯磨き粉はなみなみとつけすぎず、小豆大程度の大きさまでにしましょう。歯磨き粉の中には、その種類によっても発泡剤、殺菌剤、研磨剤など様々な成分が配合されていますが、多くの歯磨き粉に含まれる大事な成分に「フッ素」があります。「フッ素」は歯の表面に直接働きかけ、歯の表面の虫歯になりかけたところを元に戻しやすくするだけでなく、歯の表面をむし歯になりにくい構造に変化させることができます。

・デンタルフロス(糸ようじ)

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お隣の歯同士が接しているあたりの、引っこんでいるところは磨きづらいものです。ましてやちょうど接しているところには歯磨きを当てることはまず無理です。この部分はむし歯の好発部位で、むし歯になりやすい方は特に汚れを落としておきたいものです。

この部分の汚れを落とすのに効果的なのが糸ようじ、デンタルフロスです。むし歯になりにくい方でも、汚れを持続的にためていると、歯周病を進めてしまいます。海外では、”Floss or die”(” フロスかさもなければ死か ”)などと言われるほど、歯周病対策において糸ようじは重要視されています。

歯ブラシもそうですが、使い始めてから使い方に慣れるまで、いくらか時間がかかります。根気よく続けてみてください。

・歯間ブラシ

ブリッジ(歯がない所の両隣りの歯を土台として、橋渡ししてかぶせものをして噛めるようにする)の治療を行った場合、ブリッジの土台の内側には基本的に歯ブラシを当てたり、糸ようじを通したりすることができません。この様なところには歯間ブラシを使って下さい。使い方は、まず隙間に対し出し入れする際に抵抗が感じられるサイズの歯間ブラシを用意します。場合によってはいくつかの種類を用意する必要もあります。隙間に入れるときは歯ぐきを傷つけないようそっといれます。そして歯間ブラシを出してくる時にシュッと磨くようにします。くれぐれも力が入りすぎないようにします。

また、歯周病が進んで、歯の隣りあっているところの下のすき間が大きくなった場合にも効果的です。

いずれの場合も、あまり無理をしないようにしましょう。入りにくい場合は、無理に突っ込む必要はありません。

・口腔含そう剤(コンクールF®

お口の中を歯ブラシなどで物理的に清掃ができた後に薬剤でお口の中をすすぐのは効果があります。当院では特にコンクールF®をお勧めしています。含まれる薬効成分の中に、歯周病原因菌に効果的と言われている成分が入っています。

・スーパーフロス

かなりの長さの糸の一部分が、モールのように柔らかく太くなっているものです。ブリッジの下の面などを通常だと清掃できないような場所を一気に清掃するのに効果的です。

 


以上が、お口のお掃除の大まかな説明です。以上をきちんと実践できるだけでもかなりお口の清掃状態は保たれるはずですが、

  • 清掃の出来には個人差がある

  • 清掃の効果にも個人差がある

  • 個人では清掃ができているかどうか、判断に限界がある

などなどの理由から、定期的に健診を受けることをお勧めします。

健康なお口を維持して、いつまでも若々しく!